コラム

2017.08.20

平成29年 京都の六斎(1)

市内各所の六斎を学びに行ってまいりました。

まずは、西賀茂西方寺の六斎念仏。平成29年8月16日(水)。
京都市バス「大宮総門口町」下車、北西の方角へ歩いて10分足らずの西方寺(さいほうじ)で奉納されます。
(バスを降りたら右へ、ガソリンスタンドの角を左折、大きめの通りに出たら右折、クランク状の角を左折、直進右側)
特別案内も出ていませんし、あんまり灯りもない地区なので、初見の方は地図を確認しながら行った方が良いです。
当日は五山の送り火で、日頃は寂しいであろう時間帯にもかかわらず、ぞろぞろと住民の方が出歩かれていました。
船形のお膝元である当地ですから、その送り火が間近に見られるのです。

六斎念仏は午後9時からの開始。
比較的遅い時刻から始まるのは、送り火が終わるのに合わせているからです。
というのも、以前は山に火をつけに行く人(物騒な意味ではありません)と六斎念仏をする人が同じで、その人達が山から下りてきて六斎念仏をしていたので、そういうスケジュールになっているとのこと。
現在は原則として別働隊になっているそうです。
時間前になると、既に装束に着替えられた方、これから着替えられる方が続々とお寺に集まってこられます。
そうする内に、ご住職がかがり火をつけられ、講衆がそれを中心として輪になると、鉦方のお一人が皆さんに「揃われましたか」と尋ねられまして、どうやら全員いるようだと判断されると、おもむろに奉納が開始。

門を背にして鉦方が三名、それ以外は太鼓方で、門から本堂に向かって、右手、左手に各3名、本堂を背にして3名、総勢12名の配置。
最中に配置が動くことはありません。
太鼓方は、襦袢とステテコのような薄手の白い装束を身にまとい、鉦方は長襦袢の上から黒の薄手の羽織姿。
太鼓は下から上へ、また上から下へ動かします。
打ち方に妙があり、少し膝を曲げ、バチを斜め上へ掲げるような所作を行います。
発願から顔以此功徳まで15分程のお念仏。
文言は多くなく、鉦と太鼓三昧が際立つ感じです。
観衆は、門を入ってすぐの辺りと、本堂の階段辺りに固まって見守ります。
この日は100人弱お見えだったと思います。


続いて、8月18日(金)上御霊神社。小山郷六斎が奉納されます。
発願と結願(阿弥陀打ち?)は、ここではなさいません。
小山郷六斎は22日の上善寺がメインの印象で、そちらではフルでなさいます。
例えば、祇園ばやしの入れごとも省略せずに演じられます。
とはいえ、この上御霊神社もやはり一山打ちであり、長時間に亘って一通り堪能出来ます。

境内中央の舞殿から本殿へ向けての奉納になります。
やはり正面の近くからご覧になるお客様が多いので、その位置でご覧になりたい場合は早めに場所取りなさった方が良いですが、それ以外の場所はぎゅうぎゅう詰めでもないので、四方八方どこからでも観覧出来ます。
境内は真っ暗で、舞殿だけがふわっと明るい感じ。幻想的です。
また、小山郷六斎というのが曲も進行もおっとりとしており、その雅やかな風情とよく合っているのだと思います。
御所が近い土地柄もあるのでしょう。
なんでも、“公家六斎”なんて呼ばわることもあったらしいです。
上御霊神社や上善寺は、地下鉄「鞍馬口」駅からほど近い所にあります。いずれも、烏丸通より東側です。


次は少し趣向を変えて、地蔵盆廻りに付いていってきました。
地蔵盆をしている町内を訪れて、お地蔵さんに六斎念仏を奉納して廻る行事です。
今回お供させて頂いたのは上鳥羽橋上の鉦講。本年は8月19日(土)実施でした。
地蔵盆は従来8月22日、23日に行うのが常でしたが、近来はその前後の土日に済ます所が多いそうです。
小学校の夏休みも22日には終わると言いますし、そもそも子供の数が激減しているご時世。
地蔵盆そのものも、廃止した所が多いみたいですね。
時代の流れです。

メニューは、香偈、三宝礼、懺悔偈、焼香太鼓、回向3種の盛合せです。
これをお地蔵さんに向かって奉納します。
1カ所につき、20分少々の所要時間。
太鼓4名、ほか7、8名が鉦方です。
導師(調書)は2名が交替で担当されていました。
お子さんの講衆が増えまして、大層ご活躍でした。

本年は、午後6時から6カ所を廻られました。
最初は明るかったのに、気づけばすっかり夜に。
終わったら、9時半近かったです。
後ろで見ていただけなのに疲れました……。ひと仕事終えた気分です。
この行事は、通りかかったタイミングで外から眺めることは可能なのですが、わざわざ見に行きたいという場合、どの時間にどこでやっていると言うのが難しいので、一般の観覧には不向きかと存じます。
実際、見ている人も地元の方ばかりですし。
なお、8月22日は浄禅寺(南区上鳥羽岩ノ本町)にて奉納があります。こちらは一般公開です。


8月20日(日)は干菜山光福寺(ほしなざんこうふくじ)にて、田中六斎が奉納されました。
よく六斎を学術的に分類するとき、“干菜寺系”なんていう用語を使いますが、その言葉のもとになっているのがこの光福寺。
門前には「六齋念佛総本寺」なる石碑が立っており、その由緒を偲ばせます。
なんでも、当寺中興の祖である道空上人というお坊さまが六斎念仏を集大成されたのだとか。
いま普通に使っている“六斎念仏”という単語が実質広まったのも、この方の影響によるところ大かもしれません。
当地はそういうお寺を擁する地区ですから、当然に六斎念仏が存在するわけです。
お寺は叡山電鉄「出町柳」駅から東向きに歩いてすぐの所にあります。
ここから先の地域を元田中と呼びます。

公式には田中村六斎念佛と呼称しているようですね。
ただ、実はこの六斎、久しく中断の時期がありまして、その復活に際して小山郷六斎がお手伝いをされています。
その関係は現在も続いており、内容的にも小山郷六斎がその講衆によってそのまま演じられている現状です。
ということで、私は中1日で小山郷六斎を2回も見ることになりました。
すごく熱心な小山郷ファンです。

以前は脇の駐車場に舞台を組んで演じていらっしゃいましたが、今は本堂内で奉納なさっています。
ご本尊に向かって、上手に舞台、下手に客席の配置。
観覧の際は、早めに行って、本堂内に陣取ることを強くお勧めします。
あぶれた人は本堂の下から見ることになりますが、どの位置に居ても、はっきり言って断片的にしか見えません。
ただ、早く行くと言っても、だいぶ早くでないといけないと思います。
というのも、この前の上御霊さんの時もそうでしたが、どうも小山郷さんには開始予定と事前告知している15分程前には始めてしまう癖があるらしく、この日も十分位前に着いたら、もう3番目の演目が終わろうとしていました。
もっとも、こういうことは他所の六斎でも多々ありますから、初めてご覧になろうという方は、是非ぜひお気を付けくださいませ。

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