コラム

2017.08.25

平成29年 京都の六斎(2)

8月23日(水)は嵯峨野六斎の奉納がありました。
場所は、右京区嵯峨野宮ノ元町の阿弥陀寺です。
ここは住宅地の中にある、観光地的でないお寺ですので、知らない方はたどり着けないと思います。
私も初めて訪問した時は、道を尋ねたり、またその人が知らなかったりして難儀しました。
京都市バス「生田口」で降りるのが最寄です。そのほか京福電車「有栖川」からも歩いて10分弱。
三条通沿いにあるスーパー大黒屋の横の道に入り、小さな橋の手前を右折。後は道なりに真っ直ぐ突き当りまで。
駐車場はありません。


阿弥陀寺

知る人ぞ知る行事で、当然地元の方が観客の中心です。
小さなお寺に入って、しかも靴を脱いでお堂に上がるので、一人だとちょっと入る難易度高いんじゃないかと思います。
しかし、入場料を要求される訳でもありませんし、余所者だからと門前払いもされませんので、ずけずけ入って下さい。


猿廻し

始まる前に御住職のお話があります。相変わらずお元気で安心しました。
それに続き、村の総代さんがご挨拶をなさいました。
今は講と地域の関係もすっかり良好になり、一体となって行事を盛り上げていこうという気運らしいです。


越後獅子

本年は関東や海外からお見えの方もいらしたようです。
遠方からお越しの方は、終わった後も熱心に質問をしていらっしゃいました。


8月25日(金)には長岡天満宮で久世六斎を拝見しました。
長岡天満宮はアクセスの良い大神社で、阪急電車からもJRからも歩いてすぐです。
この日は夏のお祭りでして、露店が所狭しと立ち並び大盛況。
近隣のお子さん達や家族連れが大勢いらっしゃっていました。


祇園囃子

広場に設けられた特設舞台で、午後7時から演じられます。久世六斎の前には、太鼓の団体が出ておられました。
この日の演目は、祇園囃子、四つ太鼓、八兵衛さらし、獅子太鼓、神楽獅子。
一山打ちを見るには、31日の蔵王堂へ行かねばなりません。


八兵衛さらし

広々とした舞台で制約なく演じられそうですし、舞台前には長椅子も置いてあるので見やすいです。
ただ、周囲の喧騒が思いのほか大きいので、ちょっと音の聞き取りづらいのが難点。
仕方がないと言えば仕方がないのですが、もう心持ち音響が良かったらなあ、なんて思いました。
大きな太鼓演奏の時は気にならなかったのですが、六斎の音は、特に笛は、ああいう場では弱いです。


神楽獅子

もっとも、久世六斎の皆さんは、そんなことには関係なく、いつも通り粛々と舞台を務められました。
15名程出られていたと思います。
大変好評でした。


ここで、六斎の公開場所の内、アクセスの便や入りやすさ等を勘案し、見易さを独断で整理してみます。
8月/講名/場所/見易さ
9日/壬生/壬生寺/★★★★★
14日/千本/千本閻魔堂/★★★★☆(分かりやすい場所だが、バスは帰りの便がない可能性あり)
16日/水尾/円覚寺/☆☆☆☆☆(車でも行きづらい市内の秘境。そもそも開催されるか不定)
16日/西方寺/西方寺/★★★☆☆(知らないと分かりづらい場所。バスの場合、時刻に注意)
16日/中堂寺/壬生寺/★★★★★
18日/小山郷/上御霊神社/★★★★★
20日/田中/干菜山光福寺/★★★★★
22日/上鳥羽橋上/浄禅寺/★★★☆☆(六地蔵の一つなので有名だが、バスの本数は少ない)
22日/小山郷/上善寺/★★★★★
22日/西院/高山寺/★★★★☆(アクセスは良いが、案内がないので知らない人は入りづらいかも)
23日/嵯峨野/阿弥陀寺/★★☆☆☆(場所が分かりにくい上、初見で一人だと入りづらいかも)
25日/吉祥院南条/吉祥院天満宮/★★★★☆(交通機関の場所、本数、時刻は要チェック)
25日/久世/長岡天満宮/★★★★★
27日/梅津/梅宮大社/★★★★★ ※毎年8月最終日曜開催
31日/久世/蔵王堂光福寺/★☆☆☆☆(交通機関のアクセスは悪い。車が妥当だが駐車場はない)
アクセスに関しては、乗継を考慮していませんので、遠方からお越しの場合、★5でも帰れない可能性があります。
完全な一山打ちをご覧になりたい場合、地元の主公演をお勧めします。
例えば、久世は蔵王堂で絶対に見るべきですし、小山郷は上善寺、嵯峨野は阿弥陀寺が良いです。
※嵯峨野六斎は9月の第一日曜にも松尾大社で奉納があります。

六斎に興味をお持ちになられたら、是非一生に一度はどこでもいいのでご覧頂きたいですし、一か所ご覧になって、ちょっとでも面白いと思われたなら、また別の所へ足を運んで頂ければ、関係者としてこれにすぐる喜びはございません。

2017.08.22

西院六斎 平成29年

平成29年8月22日(火曜日)午後7時から日照山高山寺にて西院六斎が奉納されました。
西大路四条は北東角のバス停前にあるお寺です。
阪急電車や京福電車の西院駅からすぐなので、アクセス至便です。
人通りは多いですが、門前には何ら案内が出ていませんし、提灯が下がっているでもないので、知る人ぞ知る感じ。

南の門(四条通沿い)から入って、左手の棟に上がります。靴はビニール袋に入れて持ち込みます。
奉納場所は、ご本尊のおられるお部屋の西側に続く、12畳程のお部屋です。
観客はその西と南の続きの間から鑑賞します。
20分位前までは人出がまばらでしたので、講の方は告知不足を心配しておられましたが、始まる前には満席になりました。
ちなみに、昔は門の外に一人立って、寄せ太鼓をずっと打ち鳴らして集客していたそうです。


四ツ太鼓

当日の奉納演目は、発願、万歳、さらし、四ツ太鼓、祇園囃子、獅子と蜘蛛、結願。
発願と結願は東の方(鉦の枠がある方)を向いて奉納されます。そちらのふすまの向こうにご本尊がおられるからです。
それ以外は南側(入り口の方)を向いて演じられます。


祇園囃子

この日の参加者は、17名程だったと思います。
揃いの浴衣に黄色のタスキを掛けていらっしゃいました。


獅子と蜘蛛

西院六斎は寛永年間に始まり、元禄期には月鉾の祇園囃子を取り入れたと伝える由緒ある講ですが、久しくその中心的活動と言える高山寺での奉納を休止していました。
10年程前には、春日神社境内で奉納されているのを見た記憶がありますが、それ以降は、神輿が忙しいから、という理由で結局続かなかったと聞いています。
とにかく、人がいないことには実施出来ないもので、度々の中断を挟みながらも、小学生に教えたりなどして地道に辛抱強く六斎の火をともし続けられ、今日こうして奉納を務められたことは、大変めでたく、また喜ばしく存じます。

2017.08.20

平成29年 京都の六斎(1)

市内各所の六斎を学びに行ってまいりました。

まずは、西賀茂西方寺の六斎念仏。平成29年8月16日(水)。
京都市バス「大宮総門口町」下車、北西の方角へ歩いて10分足らずの西方寺(さいほうじ)で奉納されます。
(バスを降りたら右へ、ガソリンスタンドの角を左折、大きめの通りに出たら右折、クランク状の角を左折、直進右側)
特別案内も出ていませんし、あんまり灯りもない地区なので、初見の方は地図を確認しながら行った方が良いです。
当日は五山の送り火で、日頃は寂しいであろう時間帯にもかかわらず、ぞろぞろと住民の方が出歩かれていました。
船形のお膝元である当地ですから、その送り火が間近に見られるのです。

六斎念仏は午後9時からの開始。
比較的遅い時刻から始まるのは、送り火が終わるのに合わせているからです。
というのも、以前は山に火をつけに行く人(物騒な意味ではありません)と六斎念仏をする人が同じで、その人達が山から下りてきて六斎念仏をしていたので、そういうスケジュールになっているとのこと。
現在は原則として別働隊になっているそうです。
時間前になると、既に装束に着替えられた方、これから着替えられる方が続々とお寺に集まってこられます。
そうする内に、ご住職がかがり火をつけられ、講衆がそれを中心として輪になると、鉦方のお一人が皆さんに「揃われましたか」と尋ねられまして、どうやら全員いるようだと判断されると、おもむろに奉納が開始。

門を背にして鉦方が三名、それ以外は太鼓方で、門から本堂に向かって、右手、左手に各3名、本堂を背にして3名、総勢12名の配置。
最中に配置が動くことはありません。
太鼓方は、襦袢とステテコのような薄手の白い装束を身にまとい、鉦方は長襦袢の上から黒の薄手の羽織姿。
太鼓は下から上へ、また上から下へ動かします。
打ち方に妙があり、少し膝を曲げ、バチを斜め上へ掲げるような所作を行います。
発願から顔以此功徳まで15分程のお念仏。
文言は多くなく、鉦と太鼓三昧が際立つ感じです。
観衆は、門を入ってすぐの辺りと、本堂の階段辺りに固まって見守ります。
この日は100人弱お見えだったと思います。


続いて、8月18日(金)上御霊神社。小山郷六斎が奉納されます。
発願と結願(阿弥陀打ち?)は、ここではなさいません。
小山郷六斎は22日の上善寺がメインの印象で、そちらではフルでなさいます。
例えば、祇園ばやしの入れごとも省略せずに演じられます。
とはいえ、この上御霊神社もやはり一山打ちであり、長時間に亘って一通り堪能出来ます。

境内中央の舞殿から本殿へ向けての奉納になります。
やはり正面の近くからご覧になるお客様が多いので、その位置でご覧になりたい場合は早めに場所取りなさった方が良いですが、それ以外の場所はぎゅうぎゅう詰めでもないので、四方八方どこからでも観覧出来ます。
境内は真っ暗で、舞殿だけがふわっと明るい感じ。幻想的です。
また、小山郷六斎というのが曲も進行もおっとりとしており、その雅やかな風情とよく合っているのだと思います。
御所が近い土地柄もあるのでしょう。
なんでも、“公家六斎”なんて呼ばわることもあったらしいです。
上御霊神社や上善寺は、地下鉄「鞍馬口」駅からほど近い所にあります。いずれも、烏丸通より東側です。


次は少し趣向を変えて、地蔵盆廻りに付いていってきました。
地蔵盆をしている町内を訪れて、お地蔵さんに六斎念仏を奉納して廻る行事です。
今回お供させて頂いたのは上鳥羽橋上の鉦講。本年は8月19日(土)実施でした。
地蔵盆は従来8月22日、23日に行うのが常でしたが、近来はその前後の土日に済ます所が多いそうです。
小学校の夏休みも22日には終わると言いますし、そもそも子供の数が激減しているご時世。
地蔵盆そのものも、廃止した所が多いみたいですね。
時代の流れです。

メニューは、香偈、三宝礼、懺悔偈、焼香太鼓、回向3種の盛合せです。
これをお地蔵さんに向かって奉納します。
1カ所につき、20分少々の所要時間。
太鼓4名、ほか7、8名が鉦方です。
導師(調書)は2名が交替で担当されていました。
お子さんの講衆が増えまして、大層ご活躍でした。

本年は、午後6時から6カ所を廻られました。
最初は明るかったのに、気づけばすっかり夜に。
終わったら、9時半近かったです。
後ろで見ていただけなのに疲れました……。ひと仕事終えた気分です。
この行事は、通りかかったタイミングで外から眺めることは可能なのですが、わざわざ見に行きたいという場合、どの時間にどこでやっていると言うのが難しいので、一般の観覧には不向きかと存じます。
実際、見ている人も地元の方ばかりですし。
なお、8月22日は浄禅寺(南区上鳥羽岩ノ本町)にて奉納があります。こちらは一般公開です。


8月20日(日)は干菜山光福寺(ほしなざんこうふくじ)にて、田中六斎が奉納されました。
よく六斎を学術的に分類するとき、“干菜寺系”なんていう用語を使いますが、その言葉のもとになっているのがこの光福寺。
門前には「六齋念佛総本寺」なる石碑が立っており、その由緒を偲ばせます。
なんでも、当寺中興の祖である道空上人というお坊さまが六斎念仏を集大成されたのだとか。
いま普通に使っている“六斎念仏”という単語が実質広まったのも、この方の影響によるところ大かもしれません。
当地はそういうお寺を擁する地区ですから、当然に六斎念仏が存在するわけです。
お寺は叡山電鉄「出町柳」駅から東向きに歩いてすぐの所にあります。
ここから先の地域を元田中と呼びます。

公式には田中村六斎念佛と呼称しているようですね。
ただ、実はこの六斎、久しく中断の時期がありまして、その復活に際して小山郷六斎がお手伝いをされています。
その関係は現在も続いており、内容的にも小山郷六斎がその講衆によってそのまま演じられている現状です。
ということで、私は中1日で小山郷六斎を2回も見ることになりました。
すごく熱心な小山郷ファンです。

以前は脇の駐車場に舞台を組んで演じていらっしゃいましたが、今は本堂内で奉納なさっています。
ご本尊に向かって、上手に舞台、下手に客席の配置。
観覧の際は、早めに行って、本堂内に陣取ることを強くお勧めします。
あぶれた人は本堂の下から見ることになりますが、どの位置に居ても、はっきり言って断片的にしか見えません。
ただ、早く行くと言っても、だいぶ早くでないといけないと思います。
というのも、この前の上御霊さんの時もそうでしたが、どうも小山郷さんには開始予定と事前告知している15分程前には始めてしまう癖があるらしく、この日も十分位前に着いたら、もう3番目の演目が終わろうとしていました。
もっとも、こういうことは他所の六斎でも多々ありますから、初めてご覧になろうという方は、是非ぜひお気を付けくださいませ。

2017.06.01

獅子の講習会と西院六斎のこと

先日、市内某所において六斎獅子の講習会が密かに催されました。
これは、京都六斎念仏保存団体連合会に加盟する団体が集合して、獅子についての知見を深めようという企画。
大分前にもここで書いたことがありますが、あれと同じ行事です。
ここ十年程は年一回開催の恒例行事になっています。

前半は知識面の強化。
これは、壬生の獅子方が仕切らせてもらいました。
他講のどの方も熱心で実力者ばかりなのですが、結局毎年うちの者が任せられています。
まあ、そういうのが好きで普段から準備しているし、身内が言うのもなんですが、上手に進行するんですわ。
「もっとほかの人にもやってほしい!」と本人はいつも言うてますけどね。

その後は時間いっぱいまで「若い方同志で交流を」みたいな感じで実技の稽古です。
他の講の先輩から技のコツを教えてもらったり、それぞれ得る物があったと思います。
“六斎はみんな仲間”っていう、良い集まりなんです。

今年から前掲連合会の役員が一新されまして、特に会長が久しぶりに変わりました。
かなり若返った印象です。
スティーブ・ジョブズみたいな着こなしでスタンディング・プレゼンテーションしたはりました。
かっこよかったです。

ところで、西院六斎の本拠地奉納が今年からいよいよ復活するのをご存知ですか。
会の席上でも、西院の方が正式に宣言されていました。
日時と場所は下記の通りです。
一番最初の発表では「23日」となっていましたが、その後「22日」に変更となりましたのでお間違いなく。
約30年ぶりの奉納ということですから、ぜひぜひその歴史的瞬間を目にとどめて下さい。

  記

日時/平成29年8月22日(火)午後7時から
場所/高山寺(こうさんじ。西大路四条北東角)
※阪急・京福電車「西院」駅下車すぐ。

以上

2013.08.08

明日からお盆ですね

朝日を浴びる壬生寺と早起きの近所の子達。

本堂を飾るのは萬灯会の灯籠。
その前に組まれしは特設舞台。
一週間以上も前から準備されていました。

明日はいよいよ精霊迎え火です。
壬生六斎念仏踊りの奉納は午後8時から(朱雀第三小学校の六斎キッズの発表会は午後7時から)。
是非足をお運び下さい。

それにしても……暑い……。毎日毎日ほんまに……。

2013.06.16

平成25年六斎獅子研修会

 6月15日土曜日、京都六斎念仏保存団体連合会による、獅子舞の合同研修会が開催されました。
今回は中堂寺六斎会の地元・光徳小学校に、各団体の代表者と獅子の担当者、さらに次代を担う生徒・児童ら見学者、全約50名が集合し、情報交換に花を咲かせました。

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