コラム

2017.08.11

今宮神社のお祭りレポ

先日8月5日にあった今宮神社での奉納について、一言触れて欲しいとのお声を頂きました。

今宮さんのお祭りは、今年で3年目の参加になります。
正直な所、いまだにどういう行事なのか、綾傘鉾の誰もが詳しく説明できないのですが、

1、本殿の御祭神ではなく、向かって左のお社がメインの祭礼であること
2、そのお社から“織姫様(おりひめさま)”が御降臨なさること
3、神社の関係者らしき皆さまが御招待を受け、観覧されているらしいこと

が、特徴です。
飛び込みで見に行って鑑賞出来るかどうか、その都度神社に問い合わせた方が確実かもしれません。
1年目は、出演者の知人でも、招待客でなければ入場を断られていました。

毎年少しずつ工夫を凝らされ、色々な演出を試されているようです。
伝統行事というより、前衛的なイベントといった雰囲気。
お名前失念しましたが、世界的に有名なアーティストの方が、石のオブジェのようなものを叩き、反響させて奏でる環境音楽(みたいな、ヒーリング音楽みたいな)がずっと境内に流れています。

織姫様は、人間で言うと小学生位の女の子。
有体に言うと、そういう役割を与えられた(御霊を移された?)子が、祭礼の中心になるということです。
お囃子も全て、この織姫様に向けて奉納します。

綾傘鉾のほかには、和歌の詠唱会や、和楽器の演奏も催されます。
今年は、大船鉾のお囃子方もいらしていました。
祇園会から他の町が参加されたのは、3年目にして初です。
ちなみに、綾傘鉾の後に大船鉾のお出番だったのですが、その様子を拝見すると、舞台の角に座られた織姫様に対して平行に、斜めに並んで演奏をするという、祇園祭史上でも珍しい舞台の使い方をしておられました。

境内には観客席以外ほとんど照明がなく、かがり火が所々に焚かれている程度です。
我々綾傘鉾は、旗持ちを先頭に境内を練り歩き、織姫神社に拝礼後、舞殿で棒振囃子を披露。
この時、1年目は織姫神社に向けて舞台の上から全員で、2年目は舞台の上におられる織姫様に向けてその下の白砂の上から、そして今年は、白砂の上にお掛けの織姫様に向けて、棒振と巡柱は舞台の上、その他の者は下からお囃子を奉納するという変則的な陣形で臨みました。
毎年何かしら変化を付けた演出を施されます。
棒振囃子が終わると、また境内を巡行して戻ります。
お客様は舞台の周囲にわずかに固まっておられるだけですので、徒歩巡行を間近に見られることはありません。
遠くから来て、また遠くへ去っていく徒歩囃子を、神秘的に描くという趣向なんじゃないでしょうか。
以前より若干は明るくなったと言いますが、1年目はほとんど真っ暗闇の中で行われました。
お蔭で、覆面を着けた者は周りが何も見えずに難儀したものです。

社務所の近辺ではお食事とお飲み物がふるまわれており、私共も今年初めてご相伴にあずかりました。
カレー、ナン、クロワッサン、ゴーヤチャンプルー、湯葉の揚げ物、茄子の揚げびたし、秋刀魚の開き、など15品目程が並んでいたと思います。
ただ、やはり暗くて、何を取っているのか勘に頼ることが多く、食べてから理解するものも少なくありませんでした。
知り合いの顔も見間違う位なんです。ちょっとした闇鍋気分です。

雰囲気最優先の、そういうトガッた(?)演出のイベントでした。

追伸
門の外で出番を待っている我々に、元祖あぶり餅いち和のお姉さまが、「暗いですやろ。電気点けましょか」と声を掛けて下さり、既に店じまいしていたお店の灯りをわざわざ点して下さいました。
御蔭さまで、快適に過ごすことが出来ました。
誠にありがとうございました。

2017.04.16

祝 八坂神社南楼門修復竣功

このほど、平成27年から行われていた修復工事が成り、八坂神社(旧祇園社)の南楼門が竣功しました。
それを受け、4月15日、16日と神社は連日お祝い行事目白押しです。

16日の日曜日には、山鉾による祇園囃子の連続奉納がありました。
長刀鉾を筆頭とし、前祭・後祭ないまぜに昨年の巡行順で13基、プラス休み山の鷹山も参加。
鷹山の囃子方さん達は、トリの出番にも関わらず、初っ端から他の山鉾のお囃子を見学されていて、非常に熱心でしたよ。

壬生六斎念仏講中こと綾傘鉾囃子方ももちろん参加。
午後12時半前からお囃子を奉納させて頂きました。
当初の予定では40分からでしたが、最初に始まったのがかなり早かったみたいで、結構前倒しで進んでいました。

我々は、まず奉納囃子として「神楽」「大和舞」から「地囃子」をして一旦切り上げ、その後棒振囃子をする二段構え。
他所にない構成で、いつも通り欲張って出しゃばってやってやりやしたぜっ。へっ。
……などと強気で通せるわけもなく、実際には同業者の圧に縮こまっていましたが。
何が怖いって、やっぱりお仲間の目にさらされることですよねー。

それはそれとして――
控室は斎館という、能楽堂の東にある建物。
ここに、各囃子方が順繰り入って着替えていきます。
綾傘の前には、凾谷さんが、後には放下さんが入られました。

そこで、なんとお土産を持たせて下さいました! 狂喜乱舞!

一つは、「ナルミの京おこわ」。
時間が経っても、もっちもちのお赤飯です。
また添えてあるシバ漬けの頼もしいこと。
これで最後まで余裕で戦えます。
もちろん胡麻塩も完備(上の写真で銀色の四角いニヒルなヤツ)。
ダメ押しで奈良漬も付いているというんだからもう……このおもてなし美人!
祇園鳴海屋は祇園石段下南です。

もう一つは、「京都祇園さんのお水 祇園水 硬度250」。
なななんと、八坂神社常盤神殿様が公式に販売されているお水ですよ!
現八坂神社の御祭神こと素戔嗚尊様は海洋神だそうで、その故に深層水を原料としたそうですよ!
実は高知県の室戸沖2200mからはるばる採水されていますよ!
“京都祇園さんの”お水がですよ!!

そういうことで、当日は春の陽気というには暑いくらいで、好天に恵まれ、大変な賑わいでした。
外国からお見えの善男善女も沢山いらっしゃっていました。

南楼門が末永く神域を守護されんことを切にお祈り申し上げます。

2016.07.12

綾傘鉾祇園囃子CD発売

祇園祭綾傘鉾保存会より、綾傘鉾のお囃子を収録したCDが発売されることになりました。
祇園囃子、棒振囃子はもちろん、壬生六斎の「祇園ばやし」も収録されています。
お買い求めは同保存会までお問い合わせ下さい。
宵山期間中は、粽などと同じように鉾町でも販売されています。

「綾傘鉾祇園囃子」
発売日/平成28年7月12日
定 価/1,500円(税込)

祇園祭綾傘鉾保存会
http://www.ayakasahoko.com/

≪追記≫
祇園にある漢字ミュージアム内常設展示、祇園祭ぎゃらりぃでも販売されています。
是非「これこれ、これを探していたんだよ!」とか「これがエエねん!」などと大袈裟に言ってからお買い求め下さい。

漢字ミュージアム
http://www.kanjimuseum.kyoto/

2014.04.17

綾傘鉾 平成5年の取材VTR

懐かしの映像を一つ、YouTube壬生六斎チャンネルにアップロードしました。
京都放送の取材に綾傘鉾保存会と綾傘鉾囃子方保存会の当時の各会長が答えている様子です。
この模様は、平成5年7月17日の山鉾巡行中継内で放送されました。

綾傘鉾 TV取材 平成5年」 (YouTubeのページが開きます)

7月12日に壬生寺で練習となっていますが、これはあくまでテレビ用。
日頃、ここで綾傘鉾の練習をしたことはありませんでした。

それにしても、現在と相当入れ替わった懐かしい顔ぶれ。
そしてまた、当時の会長さん達がそれぞれ名言を残しておられます。

綾傘鉾保存会 片山 元会長
「いえ、まだ。まだまだ完全とはいきませんしね」
「我々生きている間に、少しでも、100年間もつようなものをね、つくっといて。100年後に、これが仮に文化財に指定されれば、これはもうこれで本望です」

まさに祇園祭のスケール、すなわち"伝統"の尺度です。
人の一生から見れば如何にも気の長い話ですが、こういうことを現に平気でやってきたのが町衆です。
したがって、たかだか半世紀程度で成果を欲してはいけません。
当世の評価などうたかたの夢。
遥か将来に亘り行われ続けてこそ、晴れて我々は誇りと言えるのです。

綾傘鉾囃子方保存会 浅井 元会長
「私ら、昔からこう、先祖から扱っている、親っさんから扱っている鉦と笛ですね、これをですね、これを守ってきたわけです。これを今やっているわけですね。ですから、ちょっとこう、今の他所さんの鉾の囃子とは、ちょっとこうテンポが速い」

既に幽明を異にされた先人達、伝説中の無名氏……
そのいずれもが偉大な功労者、誰が欠けても今日はありません。
たとい個人の名が残らずとも、伝統ある限り実績は残るのです。

ところで、浅井さんのお話にもある通り、他所さんに「速い」とよく怒られとるのは本当です。
「あんまりゆっくりした囃子やと歩けやしません」と、結果論的に前向きに語っておられますが……
こういうところは、鉾町の譜本解読と共に、いまだに検討課題でありまして。
"完全"てほんまに程遠いですねぇ。

ページの先頭へ