海士(あま)
概要
地歌より取材。能でも有名な題材。
大職冠藤原不比等の愛を受けて産んだわが子の出世をかけ、たった一人で名宝“面向不背の玉”の奪還に挑む海女の物語です。
前段(「オモテ」)と後段(「オク」)の二部から成っています。オモテはカタ打ちの基本を成すと言われます。
編成
楽器 | 人数 | 立ち位置 | 備考 |
---|---|---|---|
カタ(上打ち) | 2名 | 側打ち各列の手前側先頭 | オモテとウラに分かれて掛け合う。 |
カタ(側打ち) | 数名 | 上手・下手に縦列 | |
笛 | 1名以上 | 奥上手か下手 | |
二丁吊り | 1名 | 奥中央 |
口唱歌
[オモテ]
「海士の衣も 差す手引く手も 成心の前成りや (ソーレ) トーチレ トーチチチン チチンツ チンツルツン チーレチーレ ツンテン カラカーア カラカ (ヨーイ) カラカーア カラカ カラカ カラカ カラカ カラカ ドンカラカ 富士の恨みも 諸共に 躍り上がって ちょいと打つ (ソーレ) トーチレ トチチレ トチチレチレ (イーヤ) チレチレ ツレツレ チレチレ ツレツレ チレチレ チレチレ ツンテン ザンザンカラカア ザンザンカラカア カラカラカカカ カアーカアカカ カーアカ カラカラカカ カラカーカ カラカラカカ カラカーア カラカー (ヨーイ) カラカーア カラカー カーカカカ オカカー チリチリツンテン オカカ チリチリツンテン ツンテン チリチリツンテン ドンカラカー ザザーンカ カラカ ザーンカカカー」
[オク]
「迷い狂いし 讃岐潟 しどけなりふり 志度が浦 万戸将軍といいし方 面向不背の玉を 龍宮へ 取られしが 大職冠の 御身をやつし 賤しき海女の磯枕 妹背 言葉の末々 かけて おうらあ あろうおお 命を 捨ておいて (イーヤ) 一ツの利剣を抜き持って かの海底へ 飛び入れば チリンテツルンテ 空は ひとつの雲の浪 (イーヤ) 煙の浪を しのびつつ チンチン ツルツン チンチン ツルツン ザッテントコトコトンヤ 海満々と ヒーヤリホ ヒーヤリホ ヒヤリ ヒヤリ ヒーヤリホ 分けゆけば チチレチレツツ ザッテントコトコトン ちよかとを 浪 ラーララ ラーララ ラーララ ラーラ 底も浪間に そびえる まゆこそ くよおなる チトシャンチンシャン 波の彼方に 我が子や あるらんと 父大臣も ザッテントコトコトン おわすらん いやと 涙 あまに 来たりしわ」